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映画「マリー・アントワネットに別れをつげて」あらすじ&レビュー

アリーアントワネトに別れを告げて
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マリー・アントワネットを描いた映画の中でも、異色の作品「マリー・アントワネットに別れをつげて」。あらすじやレビューをお届けします。

演じる女優さんやストーリーによって、様々なアントワネットが存在する芸術の世界。この作品ではどんなアントワネットが見られるのでしょうか。

ロザ子的な感想をもとに、独断と偏見でみどころ&ポイントをお伝えします。

「マリー・アントワネットに別れをつげて」どこよりも詳しいあらすじ

時は18世紀、ヴェルサイユ宮殿。

主人公はどこか憂いをたたえ、つかみどころのない少女、シドニー。

「王宮朗読係」としてぎこちなく仕えていきながら、シドニーは朗読を通じて、いつしかアントワネットに身も心も近づいていく。

圧倒的な美貌とはうらはらに、どこか所在無く、いつも苛立っているアントワネット。
二人きりになった部屋で時折見せる王妃の孤独は、シドニーをさらに心酔させていったー。

 

そこに突然不穏な空気が流れ始める。

パリで「何か」が起きたとー。

 

バスティーユが民衆に襲われるという未曽有の出来事に騒然とするヴェルサイユ。不安と焦燥が高まる中、ギロチン処刑者候補のリストが出回り、
そこにはアントワネットが寵愛していたポリニャック夫人の名前がー。

アントワネットはポリニャック夫人への想いをさらに募らせていく。そしてついにヴェルサイユが危機にさらされるとき、シドニーは王妃の希望で無慈悲にもポリニャックの身代わりを命じられー・・・・。

 

原作はシャンタル・トマの小説「Les Adieux à la reine」(王妃に別れを告げて)。2012年にフランスとスペインの共同制作で第62回ベルリン国際映画祭のオープニングムービーとして上映されました。

主要なキャストは・・

マリー・アントワネットにドイツ生まれの美人女優、ダイアン・クルーガー。主人公のミステリアスな少女シドニー・ラボルドに、今やフランスを代表する若手女優、レア・セドゥ。ポリニャック夫人をロレアルのモデルも務めたヴィルジニー・ルドワイヤンが演じています。

オリヴィア
オリヴィア
オーストリア人のアントワネットにドイツ人、主人公をフランス人にしてあるんだね
ジュリエット
ジュリエット
細かいこだわり!

 

ストーリーの評価、みどころは?

ストーリーは創作度高め。史実に基づいたフィクション、というより史実に着想を得た創作ストーリーです。

史実の「バスティーユ襲撃」やアントワネットがポリニャック夫人をひいきしすぎてレズビアンと中傷されたこと、ヴァレンヌ逃亡あたりをつなげてかなり独創的に創作した感じです。

 

ジュリエット
ジュリエット
「気になるポイント」3つ!みなさんはどう思うかしら。。
気になる:アントワネット様が全然似てない件

まずはキーパーソンであるアントワネットですが、全然史実のイメージとは異なりす。そもそもダイアン・クルーガーはキリッとした美女でアントワネットはほんわり系で美女ではありませんから、そもそもが似ていません。

しかもダイアンアントワネット様、かなりのキレキャラで怒る怒る。なぜそんなに怒ってるの?というくらいに機嫌が悪いのが印象的です。

しかしながら脇役として出てくるローズ・ベルタン役の女優さんはよく似ています。ベルタンの肖像画が残っているのですが、それより年齢は上の設定で出てくるものの、
納得の再現度。胸元にバラの付いたお衣装で登場するのですぐに分かります。

ちなみにローズ・ベルタンの肖像画がこちらローズ・ベルタン

気になる:なぜかしらポリニャック夫人の方が若い?設定??

実際にはポリニャック夫人の方がアントワネトより6歳年上ですが、作中ではアントワネットはポリニャック夫人の「美貌と若さ」に心酔します。ん?若さ?あれ?
6歳って結構大きいよね?ま、いいか。

作中では区別をはっきりつけるためなのか、ポリニャック夫人は黒髪で登場します。当時の貴族のウィッグは正式には白ですし、肖像画のポリニャック夫人は金髪です。・・・黒い髪はちょっと不自然かな?

でもこれは創作性の高い作品なので、創作ストーリーとして見れば演出としてはアリなのかな、という程度。緑色のドレスは似合っていて可愛いです。

気になる:レア・セドゥ謎の「ズッコケ」シーンが2回

主人公であるレア・セドゥは、独特の魅力で若くしてあっという間にフランスの人気女優になりました。

この作品の翌年に、これまた女性同士の情愛を描いた「アデル ブルーは熱い色」で不動の地位を築きます。別に彼女は同性愛が似合う人、というわけではないのですが「禁断の愛」的な雰囲気をすごく醸し出せる人だと思います。惹かれちゃいけない、でも惹かれちゃう、みたいなね。

顔立ちは王道の美形ではなくちょい離れ目にまるみのある見鼻立ち、前歯はスキッ歯。結構な個性派です。でもすごく愛らしい。愛嬌のある顔立ちですよね。デカダンな雰囲気とどこか反抗的な表情がなぜか魅力的にキマる人で、フランスの「ファム・ファタール」そのもの。

本作品も彼女のふてくされたような表情がさく裂するのですがこれがいいのよ、ほんと。
なぜなんでしょうかね。

普通はふてくされてたら感じ悪いだけなんですが、レア・セドゥの反抗的で無口な態度は、なぜだかドキドキさせられます。

そして反則なのが、笑うとあどけなくてすっごく可愛いんです。子供の笑顔のような無垢な笑い方で、もう、反則。

反抗的な態度にあどけない笑顔、という「反則」を軽々やってのけるレア・セドゥ扮するシドニーですが、作中に「スッテーン」とコケる場面が2回。ん?なんだろう?これ。

フランス独特のコケティッシュな演出なのか、それとも何かの比喩?それとも暗喩?なんでしょうか。結構威勢のいいコケっぷりにレア・セドゥの女優魂を感じますが、解釈は難解です。

シドニーのミステリアスで、しぐさでもなく、言葉でもなく存在感で人を惹きつける離れ業はレア・セドゥ以外には演じられなかったでしょう。かなりハードル高めの役柄です。

謎のすってんころりんシーンは解釈は謎のままでも、レア・セドゥ独特の魅力が光るシーンの一つだと思います。

スザンヌ
スザンヌ
お次は「おすすめポイント」3つ!褒めますよ~
おすすめ!あまり描かれない「使用人」側のヴェルサイユ

使用人のバックグラウンドがシーンとして出てくる映画はあまり多くありません。そのような意味で、世界史や歴史が好きな方には(地味に)わくわくするシーンが観られます。

「裏方」の者たちの食事のシーンや、殺風景なヴェルサイユの「裏方」・・・石がむき出しになっているような食堂の壁。表のきらびやかな廊下とは裏腹にちょっと薄汚れてて狭い通路。ヴェルサイユにもこういう場所があるんだろうな、という想像を引き立てます。

おすすめ!不穏な状況の描写は必見。かなりのリアルさ

テレビのラジオもない時代では、人々の「口コミ」が主な情報経路。噂話やデマのように信憑性のない話も出回るのは日常茶飯事でしょうから、「バスティーユが民衆に襲われた」と聞いてもピンときません。

さらに、「口コミ」が広まる時間というのも現在と昔では違います。じわじわと暗雲が空を包み込むように、嘘なのか?本当なのか?と真実もわからないまま広まり、やがて人々の不安が重い空気をさらに膨らませてゆく。そんな不穏な描写はとてもリアルで、きっと当時こんな感じだったんじゃないか、と感じさせてくれます。

夜のヴェルサイユでは、手に手に燭台を持った者たちが狭い廊下にひしめき、ひそひそと耳打ちしながら不安を打ち明けている・・はっきりとは言えない、でも言わずにはいられない。もしこの中に自分がいたら・・主人公の視線と重ねながら当時の状況を想像してみるのも楽しいかも。

おすすめ!問いかけるようなラスト。ミステリアスさが魅力?

はっきり結論を見せない系のラストです。この描写の仕方自体、好みが分かれるところでしょう。

作品としてちゃんと最後まで結論を明かしてほしい。じゃないともやもやする、という人も少なくないでしょう。

なんとなくに匂わせて終わる、というわけでもなく、あれ?ここで終わるの?というくらいにあっけなくラストがやってきます。

よく言えば想像の余地がある、人によって意見が異なることを敢えて狙ったラストなのかもしれません。

「ギロチン処刑候補者」のリストが出回り、そこにポリニャック夫人の名前を見つけたアントワネットは、ポリニャック夫人を救うため、シドニーに身代わりになってヴェルサイユから出ていくように命じます。

これは完全にロザ子の私見ですが「人によって意見が異なる」というのは、もしかしたらアントワネットの存在そのものを暗示しているようにも思えます。シドニーの運命を描くことで、遠回しにアントワネットのことを投げかけているのも・・。と。

というのは、アントワネットは民衆に憎まれたとはいえ、今も昔も女性の憧れの存在と言う一面を持っています。

でも、実際のアントワネットになってみたら?。。その運命にはぞっとするものがあります。華やかな生活を過ぎれば、その後は牢獄、最期は誰もが知っている通り、ギロチンによる処刑です。

それでもなお、現在に至ってもマリー・アントワネットは絶大な人気を誇ります。・・なぜでしょう。

アントワネット本人は、たしかにポリニャック夫人に心酔していました。さみしさゆえに彼女にすがり、えこひいきにしていた。周囲の反感を買っても気にもとめず・・。自分の運命を狂わせる出来事にも無頓着で・・・一体みな、そんなアントンワネットのどこに憧れるのか?人々が憧れるアントワネットなんて、本当のアントワネットとは違うんじゃないか。みなが憧れているアントワネットなんてどこにもいないんじゃないのか・・?

シドニーを通じてそんなメッセージを投げかけているように、ロザ子は感じました。

オリヴィア
オリヴィア
さてさて。総評は・・・。
ストーリー 不思議なストーリー。好みが分かれる?
衣装・画力 再現映像のような場面は完成度◎!
おすすめ度 好みが分かれそうなので・・。

 

 

いかがでしたでしょうか。

結構独自の解釈を混ぜてしまいましたが、もし気になりましたらちょっと見てみてもいいかも・・。

では、このへんで。

 

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